KORG_DS-DAC-10R
コルグ(KORG)よりDSD対応のUSB DAC/ADC(USBオーディオインターフェース)、DS-DAC-10Rが11月下旬に発売。オープン価格で想定市場価格は¥60,000前後。

DACチップにシーラスロジック製CS4398を、A/Dコンバーターに同社のプロ用DSDレコーダー、MR-2000Sと同じTI製PCM4202を採用。これにより、最大でDSD 5.6MHz、リニアPCM 192/24bitまでの再生・録音が可能となっているUSBオーディオインターフェース。

従来から発売されている5.6MHz DSDファイルのネイティブ再生に対応するUSBDACである「DS-DAC-10」に「R」(=録音機能)を追加したうえで、デザインを変更したような機種でもあります。外観は高級感のあるダイキャストボディに、表面はヘッドホンボリュームと各種端子だけのシンプルなデザインとなっています。

従来のDS-DACシリーズでは、サンプリングレートを示すインジケーターであるLEDが点灯する形となっていましたが、DS-DAC-10Rではボリュームノブの付け根に搭載されたLEDの色が変化するという仕組みとなっています。44.1/48kHzは緑、88.2/96kHzは紫、176.4/192kHzは白、DSD 2.8MHzは水色、DSD 5.6MHzは青となることで、区別できます。

端子はUSB-B端子、ライン出力(RCA)、ヘッドホン出力(標準プラグ)のほか、ライン入力とフォノ(MM)入力を兼ねたRCA端子を装備。オーディオインターフェイスとしては2IN/2OUTという構成で、PCMの44.1kHz~192kHz、そしてDSDの2.8MHzと5.6MHzのそれぞれのサンプリングレートで入力も、出力もできます。

オーディオドライバーはASIO2.1、WDM、Core Audioに対応。本機の発売に合わせてWindows/Mac対応のハイレゾ再生・録音ソフトウェアAudioGate 4も登場。基本的にAudioGate 4を利用して録音することになります。価格は¥18,500(税別)ですが、DS-DACシリーズユーザーや、AudioGate 3ライセンス保有者は無料で利用できます。

レコードプレーヤーを直接接続できるフォノ入力端子とグランド端子を装備。レコードをDSDデータ化することを主眼としたアナログ入力の体勢となっています。フォノアンプのプリ回路にはTI製OPA1662や、ルビコン製薄膜高分子積層コンデンサーなどの高品位パーツを使用し、フォノカートリッジの性能をフルに引き出すことを狙っていることからも力の入れようがわかります。

ただし、フォノイコライザ-はソフトウェア側で処理する形になっているのが独特。AudioGate 4にはレコーディング機能を備えるとともに、ソフトウェア処理するフォノイコライザ-を搭載しており、どのフォノイコライザーを使うかはユーザーが選択できるようにしてあります。実際のEQカーブとしては、RIAA、RIAA+IEC、NAB、COLUMBIA、FFRR、AESの6種類が用意。イコライジングに合わせた設定でDSDへ変換できることに加え、イコライジングなしの原音のままDSDデータにし、再生時に後から各種カーブを選択することもできます。もしユーザーからの要望があれば、今後のAudioGateのバージョンアップで設定を増やしていくともしています。

なお、アナログ入力端子はカセットデッキなどのLINEレベル入力にも対応しています。ライン/フォノ入力の切り替えは、AudioGate 4でコントロール可能です。

録音フォーマットはDSD 2.8MHz、5.6MHzのほかPCMの44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHzのそれぞれであり、DSDファイルフォーマットであるDSDIFF、DSF、WSDで保存できるほか、WAV、AIFF、FLACなどの形式でも保存可能。

レコードを中心にしたアナログ録音のDSD化という主目的を持つオーディオインターフェースが登場。これからはDSD音源を自ら作るということもできます。DSDレコーディングを実現するためのオーディオインターフェイスはこれまでにもありましたが、コルグのMR-2000SやTASCAMのDA-3000などやや高価ですし、ソニーのPCM-D100も10万円近くでした。より手軽な機種が加わりました。PCでのDSDレコーディングというのも便利です。

レコードのDSD化ばかりアピールしていますが、カセットなどのアナログ音源もデジタル化できます。エアチェック全盛時代に録音したカセットテープやオープンリールテープを持っている人はかなりいるでしょうから、そういう人たちが自前でハイレゾデジタル化、それもDSDにできるのは魅力。

ライン入力端子の向こう側にマイクプリなどを設置すればマイクでの生録もできるし、ダイレクトボックスなどを使うことで、各種楽器を接続してレコーディングすることもできます。

とはいえ、たしかにレコードのDSD化はやはり魅力。SACD化や配信用DSD化されていない、クラシックを中心にした往年の録音のレコードをDSD化してみるのに使いたいものです。その場合、どれだけアナログ再生系を高度に用意できるかも重要で、しかも難しい点ですが。ただ、本機にはソフトウェア処理するフォノイコライザ-を搭載している分、その部分の難しさを軽くできる可能性もあります。

DSD対応のオーディオインターフェイスに新たな機種が加わりました。聴くだけ専門の人も、優秀なDSD対応USB-DACとして使えるのではないでしょうか。 【KORG DS-DAC-10R アナログをDSDでデジタル化できるUSBオーディオインターフェース!】の続きを読む