8月3日に発売が予定されていた、オーディオテクニカ初の完全ワイヤレスイヤホン・ATH-CKS7TWが発売中止と発表されました。
「基板設計上の問題で、Bluetooth対応機器との接続性能が当社基準に達せず、このまま開発を維持してもお客様にご満足いただける品質を確保することが難しいと判断した」としています。
最近のオーディオイベントにおいて、試聴機の接続性能に疑問が呈されていた矢先のこと。発売直前のタイミングでもあり、驚きではあります。2chやネット上でも疑問を呈する意見が多かったことも影響したのでしょうか。いずれにしても、オーディオイベントで実機に触れたユーザーからメーカーへの直接的な意見が影響したのでしょう。
これはオーディオテクニカの技術力のなさや対応のまずさばかりを示しているのではなく、順調に拡大していると思われた完全ワイヤレスイヤホン市場自体がまだ新しく、未成熟であることを如実に示してしまったのではないでしょうか。
アマゾンには安価ながらも接続安定性に難のある製品が多数あると言われつつ、そうした製品が放置されています。完全ワイヤレスイヤホンは接続性が悪くても我慢する?といった流れさえできつつあったかもしれません。
そんななか、国内ではソニーと並んでイヤホンメーカーでは最大手のオーディオテクニカがこの結果とこの決断。実用レベルでない製品が発売直前までに至ったことは残念ですし、国内有名メーカーとして恥ずかしい事態になったのも確かでしょう。それでも、最悪の事態を回避する策としては英断と受け止めたいです。
決して良いことではありませんし、他のメーカーへの影響もわかりませんが、オーディオ業界全体で現状の完全ワイヤレスイヤホンについて再考すべきなのかもしれません。発売延期ではなく中止というのも重く受け止めるべき現実に思います。
完全ワイヤレスイヤホンの一層の発展、というかまずは実用性の確保を業界全体で頑張っていって欲しいです。