2018年を振り返ってみると、いわゆる伝統的なピュア・オーディオ業界は引き続き低調な印象です。イヤホンを中心とするポータブルオーディオ業界の新発売製品数やメーカーの多さからすると対照的に見えます。








スポンサーリンク



特に感じるのは、単品コンポ類の高額化傾向です。これはハイエンドクラスが天井知らずに高くなるということではなく、かつて(1990年代から2000年代)のエントリーからミドルクラスの製品が2倍くらいに値上がっているように感じられるのです。

これが象徴的に表れているのがデノン、マランツを擁するD&Mホールディングスの製品ではないでしょうか。どうしてもUSB-DACなど、以前はなかった機能を付加していることの影響はわかりますが、かつての10万円クラスが20万円程度に、20万円クラスが40万円クラスになってしまっているように見受けます。だからといって中古を買うにしても劣化やメンテの問題があるので、やはり現行品に頑張ってほしいところです。

一方、かつてはなかったD級アンプによるハイコスパ機もありますが、物量型のアナログアンプに置き換えられるほどの品位かは意見が分かれそうな気がします。中国メーカーによるリーズナブルなDACやD級アンプも、ミドルクラス以上のコンポとしてはまだ難しいように思えます。

スピーカーに関しても価格面では高額化して感じます。一時は海外大手メーカーが中国生産に切り替えることにより、国内メーカーが太刀打ちできないほどのコスパを実現していましたが、今年の新製品ではその魅力も後退しているようです。スピーカーに関しては少し前のモデルの中古品を買う選択肢も現実的に感じます。

製品云々以前に、会社の経営自体が危ぶまれている残念な話題も。特に、世間を騒がせたのは、パイオニアの経営難。パイオニア自体はオーディオ・ビジュアル部門をオンキヨーに合併させたので、直接は関係ありませんが、間接的な影響はあり、オンキヨー&パイオニアの今後は心配です。直接影響を受けてしまうハイエンドオーディオブランド・TADについてはもっと心配です。

オーディオ愛好家向けで音質追求型の音楽メディアも乱立し混迷しているように見受けます。物理メディアはCDは依然として重要な上に、しぶとくSACDが残っているのは驚きです。2018年も年間を通しておもにクラシック系で新譜が出続けています。SACDは現在でも音質的は優れているとは思いますが、なにしろデータを取り出せないデメリットは個人的には大きいと思うのですが。

円盤メディアとしてはレコードもあり、それもまた新商品が出るなど販売数は少ないですが、音楽メディアの一つとしてSACD以上に一般には認知、拡大しているように見えます。レコードの特性を現代差先端の技術で最大限に活かすことで100kHz再生を果たしたという技術も登場し、新たな音質的メリットを見出そうという動きもあります。

カセットテープもなぜか復権しているようですが、カセット全盛時の音質を実現するにはカセット、デッキともに全く技術的な面での整備が今日では不可能なことからも、残念ながら音質追求型のメディアではなく、ノスタルジー的なアイテムの域は出ないものです。

ファイル形式のハイレゾ音源も乱立気味。とくに今年はMQAが浸透してきているようで、ファイルサイズの小型化と高音質を両立できる点ではストリーミングのデータ容量を節約できるという実用的な面では評価できると思います。ただ、個人的にはデータの節約よりも24bit/96kHzでいいので無圧縮でお願いしたいところです。

ハイレゾ音源はいたずらにスペックを伸ばさないで、まずはPCM系で24bit/96KHz、DSD 2.8MHzの2つがしっかりとスタンダードになることが重要に思います。

本サイト内でピュアオーディオ色の強い記事のカテゴリー