日本のローム(株)は、独ミュンヘンで開催された世界最大規模のオーディオ見本市「HIGH END 2018 MUNICH」において、かねてより開発をアナウンスしていた同社初のオーディオ用DACチップ「BD37806TL」を世界初披露。
「BD37806TL」はΔΣ方式の2ch DACで、電流出力タイプ。PCMは最大768kHz、DSDは22.4MHzのネイティブ再生に対応。FIRフィルターは8つのプリセットを用意。チップは0.5mmピッチの64pin仕様。

ハイエンドを含むHi-Fiオーディオ製品への採用を前提として音質を追求したフラグシップとして開発。

音の面では具体的に、「情報量」「リアルなボーカル表現」「豊かな低域再生」という3要素を高次元でバランスさせることを狙ったとしています。

そのために電流の変動を排除し、D/A変換におけるカレント・セグメントのマッチング精度を引き上げ、音楽の時間軸再現力を高めての高音質化というアプローチを取っています。

SN比131.6dB、THD+N 115dBというハイレベルな特性を実現。SN比については、シングル・1chでこの値は“世界トップクラス”としています。

「BD37806TL」は量産前のプロトタイプですが、基本構成などはほぼ完成しており、量産に向けた施策や特性をさらに向上させるための追い込みが行われている状況としています。

DACチップはスペックだけで音のよさを図れるものでないとも言われ、いまだに24bit/96kHz以下の音源であればバーブラウンのPCM1704(生産完了)や、フィリップスのDAC7の音質が現行最高級レベルのDACよりも高音質であると言う人もいます。

たとえばPCM1704は、現在主流のΔΣ方式ではなく、PCM方式に対してネイティブ変換できるラダー抵抗型であるなど、方式面での根本的な違いもあります。

ΔΣ方式を妥協の産物と捉える向きもあるなか、ロームは新規参入から存在感を示せるでしょうか。そもそもオーディオ用高級DACチップ自体が斜陽産業なのかもしれませんが…。