音楽メディアの王の座を長く保ってきたCD(コンパクト・ディスク)。しかし、最近ではネット配信の普及、リッピングしてのデータ化なども進み、存在感は小さくなっています。

それでも、依然として、形ある音楽メディアとしては揺るぎない王者であるとともに、これまでの膨大な資産もあります。ですから、まだまだCDを聴くためのプレーヤーは必要です。それもPCで聴けるためにかつては多数あったCDプレーヤーは大幅に減っているのは確かです。

それだけに、今、確かな音質と使い勝手、耐久性を持った据え置き型のCDプレーヤーを選ぶのは案外大変かもしれません。そこで、2018年の今、音質重視のおすすめの据え置き型CDプレーヤーを選び方とともにご紹介します。

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高音質なCDプレーヤーの選び方

再生可能ディスクの種類で選ぶ



CD再生可能な据え置き型プレーヤー、とくくれば案外多いです。というのも、ブルーレイレコーダー/プレーヤー、DVDプレーヤーといった映像ディスクプレーヤーは全てCDを再生できるからです。ですが、それらのほとんどは音質面での考慮はされていないので、ここでは除外して考えます(一部のオーディオメーカー製プレーヤーに例外はありますが、ここではあくまで映像回路なしの純オーディオプレーヤーから選びます)。

 純オーディオ系のCDプレーヤーはCD系のみが再生できるものとSACDも再生できるものに分かれます。SACDを聴かないならSACD可能機は不要です。ですが、20万円を超えるような高級CDプレーヤーの現行機はSACDも聴けるものが多いのが現実です。面白いのはDVDに記録したDSDやハイレゾPCMが聴けるCDプレーヤー。ハイレゾ音源を持っているなら注目です。 CD系もPCで作成したCD-R/RWが再生できるもの、さらにMP3ディスクが再生できるものがあります。

機能、入出力で選ぶ



最近のCDプレーヤーは、CD再生単機能だけでなく、PCと接続してハイレゾ再生もできる機能が付いているものが少なくありません。USB接続でのDAC機能です。また、光、同軸のデジタル入力からのDAC機能を持つものもあります。 ヘッドホン端子は多くのプレーヤーにありますが、マランツのように高音質ヘッドホンアンプを売りにするメーカーもあります。 ただ、流行りのバランス接続ヘッドホン端子を積むCDプレーヤーはまだありません。

出力はアナログRCAがあるのは普通ですが、XLRバランスがあると高級機器や一部のアクティブスピーカーと直結できます。かつては多かった可変ライン出力を持つ機種は今はアキュフェーズとエソテリックくらいです。

 ハイレゾではないCDを高音質化する機能もポイント。これはデノンが1992年に開発したアルファ・プロセッシングと、パイオニアのレガートリンク・コンバージョンが元祖で、ビット方向の拡張と周波数軸の拡張の片方、あるいは双方により疑似的にハイレゾ化再生するものです。単なるアップコンバートではなく、元情報から類推補完しているかがポイントで、一時は各社が行っていましたが今も明確にそれを謳っているのはデノンくらいになってしまいました。

高音質そうな内容で選ぶ



CDプレーヤーの高音質さを打ち出すには、まずはDACチップの銘柄と使用数を競うのが普通でした。かつてはフィリップスのDAC7、バーブラウンのPCM1704などがありました。現在はESSテクノロジーや旭化成エレクトロニクスといったブランドが台頭していますが、それらは今はDAP、DACに積まれていることが多く、CDプレーヤー用にはシーラスロジック、バーブラウン、ウォルフソンといった少し前に流行った銘柄が使われていることが多いです。

そのほか、アナログ回路部、電源部、読み取りメカニズム、シャーシ構造など、CDプレーヤーのアピールポイントはそれなりにありますが、現在の多くのCDプレーヤーはバブル全盛期から2000年ごろに比べるとこうしたアナログ的物量のアピールはあまりなくなっています(コスト制約から困難になった?)。

 最近ではクロック・ジッターの少なさをアピールすべく、クロック精度の優秀さをアピールする面が強くなっています。ここでの音質向上は小さくないので、要チェックでしょう。

おすすめのCDプレーヤー 8選

ONKYO C-7030(S)

価格コムで単体CDプレーヤーの人気ナンバーワンになっている機種。実売2万円ちょっと。オンキヨーが2000年ごろから積極的に搭載しているデジタル機器固有のノイズを抑えるという「VLSC」回路を搭載。さらにこのクラスではかなり立派な高精度±10PPM「プリシジョンクロック」を搭載。

 DACチップは型番不明ですがウォルフソン製と明言。筐体は、1.6mm厚の鋼板を使用したフルフラットシャーシを採用し、振動によるカラーレーションを排除。フロントパネルにも高剛性アルミ材を採用し、CDドライブメカや各回路基板からの防振対策を施しているのも価格を考えると立派。

 ヘッドホン端子もしっかり装備。再生可能なディスクは、音楽CD、CD-R/RW。対応フォーマットは、MP3とWMA。価格からすると見かけも豪華なのもおすすめポイント。

マランツ CD5005

低価格ながらヘッドホンアンプの充実がポイントのCDプレーヤー。DACに、上位機種「SA8005」と同様のシーラスロジック製「CS4398」を採用。付近にクロックを配置することで精度の安定化を図ります。また、メカエンジンは、上位機種「CD6005」と同様の新型メカエンジンを採用。

マランツ独自の高速アンプモジュールHDAMとHDAMSA2を実装したアナログ出力回路、高速バッファーアンプを搭載したフルディスクリート・ヘッドホンアンプを装備。伝統のHDAMと上位譲りのノウハウがマランツの強み。やや華やかで腰高の音域バランスもマランツのカラーです。

パイオニア PD-70AE

従来機・PD-70にもあったDSDディスクなどのハイレゾ記録ディスク再生機能は継承しつつも、USBメモリからの再生はじめ、USB系の入力再生には対応しないというディスク再生専用機。 再生可能なディスクはCDとSACDで、SACDのマルチチャンネルには非対応。

WAV/FLAC/Apple Lossless/AIFFの192kHz/24bitファイルや、5.6MHzまでのDSDを記録したCD-R/RW、DVD-R/RW、を再生する事も可能。 DACはESS製「ES9026PRO」をデュアル搭載して、フルバランス構成。ハニカム構造の金属製シャーシで覆われた物量投入型のドライブメカ、電源はアナログ/デジタルを完全分離し、それぞれのために大型トランスを1基ずつ搭載。高剛性の筐体と、全体に物量、アナログ部の充実を意識。

 今時のCDプレーヤーが猫も杓子もUSB入力を付けるなか、あえて外すことでUSBからのノイズ流入を防ぐことで高音質を狙います。

DENON DCD-2500NE

CDプレーヤーの定番シリーズDCD-1650。2012年発売の9世代目DCD-1650REでその歴史を終え、2016年のDCD-2500NEに引き継がれました。 DCD-1650REにあったDAC入力を排除。ディスク再生に特化しています。CDやSACDに加え、DVD-R/-RWに記録したDSDの5.6MHzファイルや、最大192kHz/24bitまでのPCMデータも再生可能。ハイレゾ再生自体は可能です。

メカニズムに「Advanced S.V.H. Mechanism」を搭載。定評ある「S.V.H. ローダー」の最新版です。独自のデータ補間アルゴリズムによるアナログ波形再現技術「アルファ・プロセッサー」の最新版「Advanced AL32 Processing Plus」も搭載。

CDの16bitデータから下位ビット信号を類推補完する「アルファ・プロセッサー」を早くも1992年に開発し、以降の機種に搭載することで、CDをハイレゾのように聴かせる音作りがデノンのCDプレーヤーの人気を支えてきました。CD資産を高音質で楽しみたい人におすすめです。

マランツ ND8006

今やUSB入力やネットワークオーディオへの対応は避けて通れない機能。USB入力を備えるCDプレーヤーは多いですが、ネットワークとなると少数。本機はそのネットワークオーディオ機能を備えています。

マランツではUSB-DACとして使ったり、NASやUSBメモリーに保存した音楽ファイルの再生、Bluetooth、AirPlayなど、様々な音楽ソースを再生できることから「デジタル・オーディオプレーヤー」と呼称しています。DACはマランツのフルサイズコンポでは初となるESS製の「ES9016K2M」を採用。

 従来機のCDプレーヤー「SA8005」、ネットワークプレーヤー兼USB DAC「NA8005」を統合し、価格も同じというお買い得機。ただし、SA8005にあったSACD再生機能は省かれています。CD以外のファイル再生を積極的にしたい人向けにおすすめ。ヘッドホンアンプが充実しているのもマランツの伝統です。

DENON DCD-755RE(SP)

単体CDプレーヤーの代表機で、1991年から続くデノンの755シリーズ最新機。いわゆる39,800円クラスのCDプレーヤーが定番入門クラスだった時代の覇者です。 2000年代前半ごろからこのクラスでは搭載例の少ないハイレゾ化再生機能「アルファ・プロセッサー」を積んでいるのが強みです。CD規格とは思えない情報量と豊かな表現力をこのクラスで聴かせます。

TEAC CD-P800NT

ネットワークオーディオプレーヤー機能も内蔵しつつ安いのが特徴。DSD 5.6MHzやWAV/FLAC 192kHz/24bitなどのハイレゾ音源を再生できます。さらに、USBメモリからの再生も可能です。 インターネットラジオのストリーミング再生にも対応。

DACチップはバーブラウン「PCM1795」を採用。ヘッドホン端子も装備しています。USB-DACでなはなくネットワークというのが初心者にはかえって難しいかもしれませんが、環境がある人にはおすすめ。

アキュフェーズ DP-430

高級クラスでは数少ないCD専用機。高額機となるとSACD対応が多いだけに貴重です。DAC部は同社独自のMDS変換方式を継続して搭載。前作DP-410がPCM1796を4回路並列接続していたのに対し、本機ではAK4490EQを4基搭載し、4回路並列動作。歪の低減を図っています。

USB-DACは384kHz/32bit、11.2MHzまでのDSDに対応。-60dBまでビット落ちを防いで調整できるデジタルボリュームを備えるのでプリアンプ替わりになるのもポイント。もっともこのクラスの機種を使うような人はそういうことをあまりしないようですが。アキュフェーズユーザー以外にも高級CD専用機という点でおすすめ。

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CDプレーヤー全盛期は残念ながら1990年代までに終わっています。1980~1990年代には多くの名機と呼ばれるプレーヤーがあり、今も中古市場で高値取引されている機種もいくつもあります。 名機と呼ばれるCDプレーヤーとしては海外メーカーではフィリップス、スチューダー、国内ではデノン、マランツ、ティアック(エソテリック)、ソニーなどがあります。

それらは動作品であれば今でも高音質を聴かせるものも少なくありませんが、生産完了からかなり時間が経っていて、故障した際の修理やメンテナンスが困難です。消耗品であるピックアップは同等品が入手できないことも多いですし。要は信号読み取り部を含む回転メカの維持は難しいということです。

 それでも、デジタル入力があり、DAC機能を備える機種であれば、たとえメカ部が壊れてもDACとして使えるので、今後も使える可能性があります。ただ、古いと16bit/48kHzまで対応という古いスペックが多いので注意です。たとえば、デノンのCDプレーヤーのデジタル入力対応機であれば1999年以降の機種なら24bit/96kHz入力に対応するの現在のハイレゾにも対応できます。