IFA2017において発表されていた英国・iFi-Audioの、USB-DAC搭載ポータブルヘッドホンアンプの新機種・nano iDSD BL (Black Label)。11月3日に発売と決定しました。価格は27,000円。同価格だったnano iDSDの後継機。




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外観はnano iDSDに似ていますが、入出力、機能をかなり変更しています。nano iDSD は前面にRCAステレオ出力とヘッドホン出力端子を、背面にデジタル入力や出力端子を備えていましたが、「nano iDSD Black Label」では、前面に3.5mmステレオミニヘッドホン出力を2系統、アナログ出力は背面の3.5mmステレオミニ出力となりました。入力はUSBのみです。

USB-DDC機能を無くし、その分、ヘッドホンアンプ機能に重点を置いた設計に変わっています。リチウムポリマーバッテリーを搭載し、10時間の再生が可能。外形寸法は64×96×25.5mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は139g。

前面のヘッドホン出力2系統は片側がiEMatch、もう片側がDirectとなっています。iFi-Audioが単体で発売しているイヤホン用アクセサリー・iEMatchを内部に組み込んだもの。

iEMatchはヘッドホンアンプとイヤホンの間に挿入してヒスノイズを除去し、ダイナミックレンジを改善できるアクセサリー。特に感度の高いインイヤーモニターなどのあいだに挿入すると、ボリュームを上げられるようになり、ギャングエラーからも解放されます。単体で7000円もするので、これが内蔵というだけでかなりお得感があります。

Directでは最大で600Ωまでのヘッドホンにも対応できるはインピーダンス対応もポイント。出力は285mW×2ch(32Ω)。

本機の最大の特徴は独自の技術「Qバランス」を採用したバランス接続対応ヘッドホン出力となっていること。ふたつのヘッドホン端子は一般的な3極端子だけでなくバランス(4極端子)接続も共用していて、出力段の前段にバッファーアンプを置いて(+)と(-)を生成した独自のQ-Balancedという回路を採用。つまり疑似バランス回路になっています。この狙いは、ヘッドホンをバランス駆動することではなく、グラウンド分離による左右間のクロストークを減らすことが主眼です。

この価格で無理にバランス駆動するよりも、クロストークの減少というバランス接続の利点を最大限生かすためのうまい策と言えます。もちろん、通常のイヤホン、ヘッドホンもそのまま繋げます。

USB DACとしては、DSDは11.2MHz、PCMは384kHzまでサポート。MQAの再生にも対応。これもこの価格帯では特筆もの。

背面にはUSB A端子を搭載。これによって、iPhoneと直接Lightning - USBケーブルで接続し、iPhoneからハイレゾ音源を本機に直接入力することができるようになりました。

低ジッターのクリスタル・クロックを備え、44.1kHzと48kHzをベースにオーディオ用に独立。デジタルフィルターも2種類の切り換え可能。USBからのノイズを抑えるiFiのiPurifierも内蔵。これも単体売りしていたアクセサリーですので、お得としか言いようがありません。

この価格でヘッドホン・バランス接続とMQAに対応していることは特筆もの。常にハイコスパなポータブル機でユーザーを驚かせてきたメーカーの相変わらずの好調ぶりを感じます。むしろ勢いが増している感じです。S/PDIF入出力を省くというのも英断でしょう。個人的にも大変気になるDACポタアンです。